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チェアインプレッション Vol.2【フルーエント】 

■ 使用イメージをお伝えするために

「部屋に入れられるだろうか?」「使い心地はどうなの?」
家具選びの際、誰もが一度は気にするこの問題。椅子も同じくサイズや使用感が気になるところ。
近くのお店で取り扱いが無い場合、通販サイトを利用する方も多いと思います。
「でも、商品ページの写真だけで選ぶのは不安。」そんな方も少なくないはず。

当シリーズ記事では「使用イメージを確認したい」「大きさはどのくらい?」「重くないか?」等々、お客様から日々寄せられる質問をもとに、予め確認しておきたい椅子の情報を、椅子道楽スタッフのレビューとともにお届けします。

【紹介動画】

※Youtubeにて動作の様子をまとめた動画を投稿しております。手早く内容を確認したい方はこちらも併せてご覧下さい。

■ Vol.2「Fluent(フルーエント)」

“人気チェア「シルフィー」の座り心地を、もっとリーズナブルな価格で実現できないか?”
フルーエントの企画・開発はこの着想から始まりました。
バロンやコンテッサといった人気チェアの影に隠れがちなフルーエント。今回はその使い心地と特徴にフォーカスしていきましょう。

■ サイズ比較

【参考モデル】:
フルーエント ハイバック ホワイトフレーム

【スタッフA】:
身長162㎝、体重55㎏

可動肘タイプ・生地のカラーはセージのフルーエントです。写真では照明の影響でやや緑がかって見えますが、実際の色はライトブルーに近いです。

「軽い取り回しで扱いやすい」。これがスタッフAのファーストインプレッションです。
正確な重量は不明ですが、前回ご紹介したシルフィーと同じくらいか、ほんの少し軽いように感じました。

取り回しに影響する本体の幅をカタログから確認したところ、左右の肘掛間の幅は、前回ご紹介したシルフィーの可動肘モデルで【648㎜】、フルーエントの可動肘モデルでは【590㎜】と、フルーエントが約6㎝ほど狭いようです。

メーカーの説明によると、デスクへの収まりを良くするために、横幅をコンパクトに設計しているとのことです。小柄なスタッフAの体格では肘掛が丁度良いポジションにあるため、座りやすさを感じます。逆に身体の大きな方には少し窮屈な幅かもしれません。

椅子の高さもチェックしてみましょう。
スタッフAが椅子の横に並んだ上記画像は、座面を一番低くした状態を撮影したものです。この状態で座面の高さは【420㎜】、背もたれ上端の高さは【942㎜】で、スタッフAの腰高程度であることがお分かりいただけると思います。天板の高さが70㎝程度の一般的なテーブルやデスクであれば、肘付きのモデルでも問題なく納まります。記事冒頭に掲載しております動画でも、椅子をテーブルに収める様子が撮影されておりますので、参考にしてみてください。

こちらの画像はお問い合わせの多いドア幅とのサイズも比較です。

前回と同じく、参考にした扉は幅80㎝のエントランス扉。
フルーエントは直径約67㎝の脚部が最大の幅となります。シルフィーと比べると3㎝程度幅が小さいですが、やはり、余裕を持って通過するためには70㎝以上の通路幅を確保したいところです。

どちらでご購入された場合でも、オカムラの椅子はメーカーから完成品の状態でお届けされるケースが多いと思われます。入り口の幅が十分に確保できない場合は、椅子を持ち上げたり、大きめの窓や別の入り口からの搬入も検討する必要がありそうです。

■座った際のイメージ

スタッフAが座った状態では肩の高さよりほんの少し背もたれが低いです。
前回のシルフィー ハイバック モデルと比べても、やや小ぶりに見えます。

フルーエントのローバックタイプは、残念ながら社内にモデルが無いため、比較することができませんが、カタログ情報によるとハイバックより背もたれが6㎝低いです。それなりにサイズ差があるようですが、スタッフAの場合ですと、背もたれの先端が肩甲骨の下くらいの位置でしょうか。

座面幅は両脇に握りこぶし3分の2程度の余裕が残っており、標準体型の方であれば無理なく快適に座れる座面の広さです。

余談ですが、今回のフルーエントご紹介に際して、身長180㎝で海外出身のスタッフBにもフルーエントを試してもらいました。
感想は「ぴったりで、これは良いですね」とのことです。リラックスした姿勢でどっかりと座っても、背もたれがしなやかにリクライニングするため、スタッフBも満足そうな表情で座り心地を堪能していました。

椅子全般に言えることですが、実際に座ってみないと分からないことはとても多いです。スタッフBのように一見すると身体の大きさと椅子のサイズが合わないと思われる人でも、座ってみたところ相性が良いと感じられるケースもあります。スタッフAも自身が感じた印象や使用感をご紹介しておりますが、記載した内容が全ての方に当てはまるとは申し上げにくいところです。気になる椅子があった場合は、取扱い店やショールームなどに足を運んでみるのも良いでしょう。

■質感・性能

左から背もたれメッシュ・座面・フレームの質感です。

背もたれのメッシュはシルフィーとは異なり、少し密度のある生地です。
生地のカラーは8色で全体的に落ち着いた色合いのラインナップが揃っております。気になる方は、オカムラのカラーシミュレーションを確認してみても良いでしょう。

背もたれに身体を預けると、一見何の変哲も無い背もたれが気持ちの良いフィット感で腰周りを支えます。

どうやら生地の張り方に秘密があるようです。
カタログやメーカーWebサイトをチェックしたところ、生地の張り方を工夫して腰周りを支える「ラウンドフィットバック」と言う設計が効果を発揮している模様。

少し強めに背もたれに寄りかかると、腰回りを中心としてしなやかな弾力とホールド感が背中全体に感じられます。


オフィスチェアには腰周りをサポートするオプションパーツ「ランバーサポート」を取り付けている機種もありますが、人によってはこのパーツが硬いと感じる方もいます。その点、フルーエントの背もたれはパーツに頼らない“自然な心地よさ”で体への負担も少なめです。腰痛対策を考える方にも十分にお勧めできる性能かと思います。

■スタッフ一押しの機能

座面下を覗いてみましょう。何やら不思議な形状のスリットがあります。これは座る瞬間の衝撃を分散させ、お尻の形に沿って適度に変形して座り心地を向上させる「ブリッジベンディングシェル」と言う構造です。
人が座るとこのスリットとその周辺がぐにゃりとたわみます。

他のチェアと座り心地を比べてみたところ、座面の感触はシルフィーと同等か、それよりも少しソフト。スタッフAより体重の軽い方でもおそらく「硬い」と感じることは少ないと思います。メーカーのコンセプトにもあるように、座り心地はシルフィーに良く似ています。前傾姿勢などの特殊機能はないものの、座面そのものの構造に工夫を加え、長時間の使用に最適な座り心地を追求しているようです。

■まとめ

軽量で取り回しが良い上に、癖の無いデザインで親しみやすく、身体に優しい座り心地がフルーエントならではのポイントかと思います。

今回の要点をまとめてみましょう。

◆軽く取り回しに優れており、様々なデスクに収まりやすいコンパクト設計。
◆最大幅は直径約67㎝の脚部で、搬入には最低でも通路幅70㎝以上を推奨。
◆ローバックとハイバックでは背もたれに高さ約6㎝の差がある。
◆コンパクト設計のため小柄な方から標準的な体格の方に最適なサイズ感。
◆背もたれ生地の張り方が工夫され、腰回りが自然と支えられる仕組み。
◆座面下の特殊構造により、座った際の衝撃を分散させ、ソフトな座り心地が続く。

フルーエントはオカムラの椅子としては比較的リーズナブルな価格である事も見逃せません。
スタッフとしては「飽きることなく長く付き合える椅子」という印象を受けました。
デザイン的にもお値段的にも無理をしない“ちょうどいい感覚”に収まった優秀なチェアだと思います。
皆様の椅子選びに、何らかの参考となれば幸いです。