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■第4話 -ローマ時代-
~装飾された椅子が一般の家庭でも愛用されていた~
ローマの家具はギリシャと同じ運命をたどり、木製のものは全て失われてしまいました。ブロンズ製のものはポンペイの遺跡に数多く遺されており、挽き物加工した部材の優美な曲線を模した金属製の休息用家具は注目に値します。
また、燭台とともに低いスツールや三脚台もブロンズの鋳物で作られており、これらは主として帝政時代以降のものです。この彫塑的文様や植物文様は、その後数世紀にわたってローマの陶器や家庭用品の特徴ともなりました。
当然のことながら、ローマの家具はアレクサンダー大王以降のギリシャのものと密接に関連し、ローマ人の贅沢な好みは、椅子や寝椅子のクッションや掛け布の豊かさによく現わされています。
ローマ人の家ではテーブルを覆ったり、部屋の中を仕切ったりするために、優雅な布や織物を広く使っていました。
折りたたみ式のスツールやビセリウムと呼ばれる幅の広いスツールがローマの特徴的な椅子で、脚部がカーブしX状に交差したギリシャと同じ形の椅子は、元老院や法廷の椅子として用いられ、後にこの椅子はアンピール時代(19世紀初期)に模倣されることになります。
ローマ人の家庭や社会では、ライオンの足やスフィンクス、ヘルメスアカンサスなどの図柄で装飾されていました。なお、アンピール時代には、ローマ帝国の様式が模倣され、ローマのブロンズや大理石製家具の形態を木製の家具に転用していますが、これにより本来、簡素で実用的なローマ人の家庭家具が誤解されることになりました。
初期のキリスト教の装飾家具は、ローマ時代のものとなんら異なることはありません。教会の絵画もモザイクに描かれた会食場面を見ると、テーブルや椅子がほとんど見えないくらいに掛け布で覆われていることに気付きます。
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