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■第3話 -ギリシャ時代-
~現代のデザインにも通じる曲線の美~
紀元前6世紀頃のギリシャの家具は、同時代のエジプトやペルシャの家具と同様に、厳格に直角で構成されていました。
ラコニアの石造に浮き彫りされた2人掛けの椅子を見ると、堅い背と肘掛けや厳格に様式化された“牛のひづめ”ばかりでなく、坐っている人物のきっちりした姿勢や表情からも、エジプトもペルシャとの類縁関係が認められます。
しかし、紀元前5世紀に入るとともに、パルテノンの美術に代表されるギリシャ的な雰囲気から西洋精神が解き放たれ、家具にも新しい感覚の形態が表れてきます。
パルテノン神殿とアテネの墓地に浮き彫りで描かれた椅子や腰掛け、スツールは、きわめて簡素な点でペルシャや同系のアルカイック期の椅子類とは異なっています。これ以前の硬直的な形の椅子に多様なプロフィール、動物のモチーフ、装飾がみられるものとは対照的に、紀元前5世紀のギリシャの椅子は少数の明快なモチーフで作られていました。先細に挽物(ひきもの)加工した4本脚のスツール(ディフロス)と、背もたれを客部がたおやかな曲線を描く椅子(クリスモス)が最もよく使われ、自然な高さで坐っているし、エジプトの椅子とはまったく対照的なものとなっています。
このように自然な要求にかなった形態を見出した点に、ギリシャ人の功績があったといえましょう。
主な収納家具は、エジプトと同様にチェストで、アレクサンダー大王の時代(紀元前4世紀)のものが多くのこされており、青の地に鮮やかな彩色されているものが多数見受けられます。図柄は、棕欄の帯装飾、雷文、棕欄文などのギリシャの豊富な装飾文様から選んでモチーフとし、全体を単色に塗ったエジプトのものより生き生きとしていました。
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