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第3話 腰痛の分類
ひとくちに「腰痛」といっても、原因や症状はさまざまです。
重いものを持ち上げようとしたら、腰が「ギクッ」。
また、背骨を形成する「椎間板」が本来収まるべき場所から飛び出して、そのために近くの神経を圧迫し激しい痛みを伴う「椎間板ヘルニア」。
そして、夏樹さんが遭遇した、心の奥底の潜在意識の働きにより、身体はどこも悪くないのに死までを思い浮かべてしまう、原因不明の腰痛…。
これらすべてが「腰痛」というひと言でくくられてしまいます。
医学の世界では、上記のように様々な形となってあらわれる病気の原因を、次の3つに分類しています。
「外因」「内因」「心因」です。
腰痛という疾患をこの3つにあてはめると、次のように見ることができるでしょう。
●外因
外因とは、慣れない作業や運動をしたあとや、無理な姿勢で作業をしたとき、また長時間同じ姿勢を続けたときなどを原因とする腰痛を指します。
椅子が腰痛に関係する原因としては、この「外因」があてはまるでしょう。
これらは、程度にもよりますが、特別な治療を受けなくても、自分で防ぐことも痛みを和らげることも可能です。逆に言えば、腰の病気を持っていなくても誰にでも起こりうるものということになります。
ですから、ご自身のお仕事や生活スタイルに合った椅子を選ぶことが重要になってくるわけです。
●内因
内因とは、例えば腰の骨や筋肉などに何らかの疾患があり、これが原因となって痛みを出すもので、痛みをとるためにはその疾患を治さなくてはなりません。ほとんどの場合、医療の助けが必要になります。
●心因
心因とは、ストレスなど精神的な抑圧状態が長く続き、その負担が身体的症状となってあらわれたもので、一般に「心身症」と呼ばれています。
夏樹さんの重篤な腰痛は、この心因性のものだったようです。ストレスっぽっちで…などとあなどるなかれ。たかが心因、されど心因。経験のない者には想像を絶するほどつらく、苦しいものなのです。
ひと口に「腰痛」といっても、その原因は様々です。
その中で、椅子が腰痛の原因たりうるものは、外部からの刺激、すなわち「外因」による腰の肉体的苦痛と考えることができます。
ということで、本編で中心的にとりあげる腰痛の話題は、外因性のもの、さらにその中でも椅子に長時間座っていることによって生じる腰痛が本来中心となるべきですが、夏樹さんが経験された腰痛とその「放浪記」についても触れ、腰痛の苦しみというものを少しでもご理解いただければと願っています。
まずは手始めに、夏樹静子さん『椅子がこわい』から、腰痛がどんなに苦しく、日常の生活を脅かす存在であるかを見てみたいと思います。
(つづく)
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