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第7話 「座る」とエルゴノミクス その2
座るということはどういうことか、を考えてまいりました。
座ることは、精神的なリラックスを伴うものだといえるのですが、それでは、「座ること」は、物理的にどんな意味があるのでしょうか。
結論から申しますと、精神面と同様に、身体的な面でのリラックス、あるいは身体の安定を得ることが、座ることの物理的な意味です。
ずっと立っていると足や腰が疲れたり痛くなってくるので、座ってひと休みすることは、ごく自然な動作だといえるでしょう。
このことをむずかしく言うと、「抗重力的状態に対する姿勢との関係」といえます。
わざわざむずかしく言う必要はないのですが、要するに人の姿勢というのは、常に重力への抵抗関係にあるということがお話ししたかったのです。
重力は、地球上のすべての物体に加わる力です。
私たちは通常、重力に抗(あらが)って活動しています。その「抗い方」が「姿勢」ということになるのです。重力に最も抗っている姿勢が、立つ姿勢です。
立つ姿勢は最も抗う姿勢ですから、ずっと続けているとつらくなってきます。そのため、少しでもらくな姿勢に変化しようとします。それが「座る」姿勢なのです。座ることで、重力を足だけでなく腿やお尻で受けることができるようになります。少し背もたれに寝そべれば、背中にも重力を分散させることができるようになり、さらに足腰への負担は少なくなります。
重力は、身体に圧力となってのしかかってきます。
その圧力を、椅子に座ることによって身体のあちこちに分散させ、それによって一ヵ所あたりの圧力を弱めることができるのです。
エルゴノミクスの観点から見ますと、座ることには重力が密接に関わっており、椅子は重力に抗って人間を支える道具である、と位置づけることができます。
座ることの意味は、重力に抗うことであり、重力に抗うための道具として椅子があるということが、椅子の存在意義なのです。
そして、いかに重力に抗うかを研究することが、椅子とエルゴノミクスとの関わりであるといえます。
(つづく)
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