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第5話 エルゴノミクスの判断

2008-06-20

エルゴノミクスでは、「知覚情報」を取り扱います。

知覚情報とは、人間の感覚器官(見る、聞く、味わう、匂う、触る)からインプットされる情報のことです。
感覚器官からインプットされた情報をもとに、人間はものごとを判断します。

一方、人間のアウトプットは、言語表現かしぐさ(行動)しかありません。
人間の感覚情報を測るには、これらのアウトプット情報を集めることになります。
具体的には、言語表現はアンケートを用いて収集します。しぐさについては、ビデオ撮影やセンサーを用います。

人間は、感覚器官からインプットされた情報をもとに、ものごとを判断します。
人は、何らかのプロセスを経て判断した結果をアウトプットするのです。

判断は、大きく2つに分けることができます。

ひとつは、絶対判断です。
比較の対象が存在しない場合に、単独で見て良いと判断する場合をいいます。
もうひとつは、比較判断です。
複数の比較物を比較し、一方が他方よりも良いと判断する場合です。

しかし、実は本質的には絶対判断も比較判断の中に含まれると考えることができます。
なぜならば、絶対判断の場合でも、例えば本人の記憶や経験などに基づいて比較判断されることになると考えられるからです。

また、判断された情報を検証する際、考慮に入れなければならない考え方が2つあります。
それは、「曖昧さ」と「誤り」です。

私たちの日常には、さまざまな曖昧さが存在します。エルゴノミクスは、そのような曖昧さも取り扱います。
曖昧さに対する考え方のひとつに「ファジー理論」という理論があります。
ひとつの曖昧な概念を度合いや曲線、比率で考えることによって、曖昧な現象、概念を処理することが、ファジー理論です。

もうひとつの重要な概念である誤りは、間違った判断をしているということですので、あってはならないものです。
誤りは、曖昧さと関係しています。情報が曖昧であるほど、判断を誤りやすくなります。

知覚情報の取り扱いに関して、エルゴノミクスにとって重要な考え方である「曖昧さ」と「誤り」。
エルゴノミクスは、これらの考え方を取り込むことにより、人間の考え方、感じ方などに近い判断をするよう工夫されているのです。

(つづく)

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