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第7話 腰痛対策のために買った椅子
夏樹さんはある日、腰に負担の少ない椅子を手に入れることを思い立ちました。
それは、同じ作家の高樹のぶ子さんが独自の椅子を考案して、それで仕事をなさっていると聞いたからです。
高樹さんは30代のころ腰痛に悩んだ時期があり、その経験から椅子に工夫を凝らし、使用しておられるのだそうです。
作家の方の仕事道具は、紙とペン(最近はパソコンでしょうか)、そして机と椅子でしょう。
特に椅子は、お仕事柄ずっと座り続けることが多いと推測します。一日の大半を椅子に腰かけて過ごされることも多いのではないでしょうか。
夏樹さんは、高樹のぶ子さんの仕事部屋まで見せてもらいに行きました。
『彼女の椅子はかなりの角度後ろへ傾斜していて、それにもたれ、ちょうどよい角度に画板のような板がセットされている。そこに原稿用紙を固定して書いておられた』
高樹のぶ子さんがたどり着いた腰に負担の少ない椅子は、背もたれが傾斜している椅子だったのです。
背もたれをほとんど寝かせるかのごとく傾斜させることによって、体重をお尻だけでなく、お尻~背中と広範囲に分散させて支持することにより、各部分の負担を低減させるねらいがあるのです。
これは、当店ラインナップの椅子「アトラス」チェアと同じ考え方です。
また、椅子の傾斜に沿う角度で原稿用紙をセットし、原稿を書くという発想は「クルーズ」デスクに通じるものがあります。
高樹さんの腰痛のご経験からクルーズ&アトラスに近い発想の環境を考案されたことは、クルーズ&アトラスが身体に負担の少ないものとして開発されたというアプローチの方向性が間違いではないということを物語っているといえば言い過ぎでしょうか。
ともかくも、夏樹さんが腰痛に苦しまれていた時期にクルーズ&アトラスが存在しなかったことが悔やまれます。
夏樹さんは高樹さんの椅子を見学後、ご自分でも理想の椅子を探そうと思い立ちました。そして、高樹さんと同じような、かなりリクライニングする革張りの椅子を購入されました。それに座り、ボール紙に原稿用紙を止め、左手にそれを持って書くことを試されました。
その結果…
『ふつうの椅子よりよほどらくにはちがいないが、時間が長くなるとやはり腰が無理になった』
夏樹さんの腰痛は、椅子の改善などでは解決しない問題だったのです。
(つづく)
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